Antixの次に起動が早く、アプリケーション実行速度はAntixと大差がない調べとなりまして、Debianをメインに徐々に切り替えていこうと思っているのでメモ

なお、軽さのためにDebianはLXDEを使用しています。

とはいってもデスクトップが違うだけだからあまり変わらないよね(最初のデスクトップログインくらいかな?)

インストール:ネットワークインストールのイメージを使い、グラフィカルインストールで行いました

設定:

何はともあれ最初にやるのはお気に入りツールのインストールかな。ということで、以下お決まりセット・・・だけど多少修正。

●ターミナルを起動する

まず、標準のターミナルを起動します。

今後、ここから1つずつPCに指示をして環境を整えます。

Windowsでいう「スタート」とか「田」マークのある場所に「へ」の字のマークがあると思いますがこれがメニューボタン。これをクリックして「システムツール」のLXTerminalってのを使います。

真っ黒いいわゆるDOS窓とかPowerShellみたいなのが表示されましたが、これがターミナル。

●まずはsudoを使えるようにする。

今のログインアカウントで管理者命令を使えるようにします。

まずはターミナルから以下のように打ってみましょう

$su
パスワード:

#gpasswd -a username sudo
#exit

$

最初だから解説します

①suと打ってエンター(私は98の人なのでリターン、と言っています。なので、今後リターンと言ったらエンターと同じだと思ってください)を押すとパスワードを聞かれます。やっていることはadministratorに切り替えています。

 うまくいけば、”root@hogehoge /home/(username)/ #”という表示が出てくると思います。hogehogeとかhogeというのは「環境によって違うよ」っていう慣用句です。(username)もインストール時に設定したログイン名になりますので人によって異なります。

②ここで、gpasswd -a username sudoと打ちますが、usernameは、インストール時に設定したログイン名に変更してください。やっていることは、「sudoというグループにusernameという人を追加してください」という命令です。

③exitでadministratorでログインした状態から抜けます。

いったん再起動すればsudoを命令の前につけることで管理者命令が使えるようになっているはず。(管理者パスワードは都度聞かれます)

●ログイン時にパスワードを聞かないようにする(個人用PCに限る)

次に,起動時に毎回ログイン名とパスワードを聞かれるのもうざいので、聞かれないようにします。

$sudo nano /etc/lightdm/lightdm.conf

# autologin-user =

という行を探して、#を削除し、=の後にログインするユーザー名を記載する。

nanoというテキストエディターは終わらせるには”ctrl+x”で「変更をセーブしますか」みたいなことを聞かれるので ”y”、ファイル名はそのままでいいのでennterキーを押せば保存して終了ができる。

●sudoでいちいちパスワードを聞かない(個人用PCに限る)

sudoを使うたびにrootのパスワードを聞かれるのも面倒なので、これも聞かれないようにします。

$sudo visudo

で、末尾に以下記載

username ALL=(ALL:ALL) NOPASSWD:ALL

自分の権限を忘れやすいという意味では結構危ない設定なのでちゃんとやりたい人はvisudoで調べてみてくださいな

このへんで一回再起動して確かめてみましょう。

パスワード聞かれずに、いきなりログインできるはず。

●基本的なアプリの導入

$sudo apt-get update
$sudo apt-get upgrade
$sudo apt-get install fcitx-mozc fdclone tightvncserver xrdp gddrescue parted gparted cpufrequtils remmina chromium chromium-l10n terminator pcmanfm-qt libc6-dev build-essential i2c-tools git vlc blueman remmina-plugin-rdp remmina-plugin-vnc wine netcat-traditional snapd wireshark
$sudo apt-get install --install-recommends fcitx

●デスクトップへのアイコンの配置

Antixでは/usr/share/apprications/からショートカットを持ってくる必要があったが、Debian/LXDEでは、メニューから必要なショートカットをラッグ&ドロップでデスクトップに持ってこれる。

勝手に位置が変わるのが嫌な場合は、各アイコンを右クリックし「現在位置に固定する」をマークすればよい。

●ほしいソフトウエアの「自分のハードに適合するバイナリーの探し方」とインストールの仕方。

残念ながら何もかもがフルオートでインストールできるわけではない。

当然だがあくまで、ディストリビューションの作成者の気が回った範囲でしかパッケージ管理は行き届かない

一方で、この瞬間にも新しいソフトはどんどん開発されるし、新しいバージョンも開発されるし、民事的、政治的理由でパッケージ化できないものもある。

そういうものは手動で何とかするしかない。

ipscannnerを例に説いてみよう。

1)ほしいアプリを探す。

  今回ip scanできるアプリを探します。ググると、angry ip scannerというものがむみつかりました。

  そこで、できればソースからコンパイル、なんかしたくなくて、debian用のインストオールパッケージがあればいいな、と思うわけです。

  なので、.debファイルが配布されていないか確認します。これもHP上で見つかります

  今だと”ipscan_3.9.1_all.deb”。名前的に、CPUの種類(アーキテクチャなんて言ったりしますが)はdebianならどれでも対応しているよ、と取れます。

  たいていファイル名も慣習的に決まっていて”ソフト名+バージョン(リビジョン名)+対応”となっていることが多いです

  それで、今日日のPCならば、

  ・32bitならば”x86”とか”i386″とかi686″(たぶん、MMXかペンティアム2当たりのことを指しているのではないかと思う。)とかを選べばよくて

  ・64bitばら”x64″とか、”AMD64″とかそんな名前かと思います

  ・ちなみにラズパイなんかはARMなので、ARMなんちゃらを選びますね。

  で、それをUSBか何かで/home/(username)/の下に、適当に”インストールするものはここに一回入れますよ”っていうフォルダを作って、その中にコピーしていじります。

  このフォルダは「作業場所をちゃんと整理する」ためのものなので、名前は各自で決めてください。私は”数字_備忘のための名前”という形にすることが多いです。

  ”00_install”みたいな感じです。

 2)インストール

  .debの場合、そのままapt-get installで解読すれば(裏でdpkgが動いて)インストールできるはずです。

  やってみましょう

  今回、00_installの中に入れたとしましょう。こんな感じです。ほかの場所ならば適宜打ち込む文字を変更してください

$cd ~
$cd 00_install
$sudo apt-get install ./ipscan_3.9.1_all.deb

現状のDebian12だと、たぶんエラーが出ますよね

ipscan : 依存:libswt-gtk-4-javaしかし、インストールすることができません

      依存:libswt-cairo-gtk-4-jniしかし、インストールすることができません

3)ソフトウエアを動かすための前提となるソフトウエアを探す(依存性を解決する)

こういうときは、「このソフトが動く前提のソフトがないよ」って言ってますので、これを探す必要があります

“debian libswt-gtk-4-java”とかでググれば出てきます。この中からまた自分のPCに合うアーキテクチャのdebを探せばいいです。

根気よく探すと”libswt-gtk-4-java_4.10.0-3_i386.deb”なんてのがありますね。VAIO-Pは386なので、これをゲットします。

同じくlibswt-cairo-gtk-4-jniのほうも”libswt-cairo-gtk-4-jni_4.10.0-3_i386.deb”がありますね。

これで、もう一回インストールしてみましょう

よくわからんのでいっぺんにインストールしてみましょう。

$sudo apt-get install ./libswt-gtk-4-java_4.10.0-3_i386.deb ./libswt-cairo-gtk-4-jni_4.10.0-3_i386.deb ./ipscan_3.9.1_all.deb

で、またエラーが出ますね。

今度はlibswt-gtk-4-javaを入れるにはlibswt-gtk-4-jniが足りんとか言ってきます。しかも(=4.10.0-3)とバージョンまで指定してきやがりますねw

先ほど探したページにそういえばありましたね。”libswt-gtk-4-jni_4.10.0-3_i386.deb”。これもダウンロードします

で、もう一回。

sudo apt-get install libswt-gtk-4-jni_4.10.0-3_i386.deb./libswt-gtk-4-java_4.10.0-3_i386.deb ./libswt-cairo-gtk-4-jni_4.10.0-3_i386.deb ./ipscan_3.9.1_all.deb

ここまでやると、ようやくインストールしますか?って聞いて来てくれて、yを押せばインストールできます。

最後に多少文句を言われます・・・ユーザー’_apt’からアクセスできないため云々・・・これは、報告なだけで何とかしてくれていますので、このメッセージまでくれば成功しているでしょう。

これがソフトウエアの「依存性を解決する」ということです。

通常、debianを作った人たちがこの辺をちゃんと考えてパッケージ管理ソフトとその情報を配布しているので、debianを作った人たちが気が回っている部分についてはこんなことしなくても

sudo apt-get install hogehoge

でインストールできますし

sudo apt-getp purge hogehoge

でアンインストールできます。

が、少し変わったものや彼らの気が回らない範囲のものを入れるときは、こうやります。

今度はもっと泥臭いことをやります。debian用パッケージもなく、linux汎用のソースコードから何とかする方法です。

●VAIO-Pをクロックアップできるソフトをインストール

面倒なのでソフト名を教えます。

lfsbというソフトです。で、場所も面倒なので結果だけ言うと”https://github.com/DavidBel86/lfsb”で配布しています。

ダウンロードは、適当なPCで緑色の「code」というところからワンセットを「Download ZIP」でダウンロードしてから解凍してもいいし、wgetコマンドを使っても構いませんがとにかく先の.debファイルのようにゲットします。(このやり方はwgetの使い方でググってください)

で、とにかく”00_install”にZIPを解凍した、またはwgetした”lfsb-master”というフォルダがある状態にします。

その状態で

$cd ~
cd 00_install
cd lfsb-master
sudo make install

これでインストールできるはずです。

こういう方法もある、ということを覚えておいてください。

で、このソフトが実行できるようにするにはi2c-devというのを有効にしないといけないのでこれをやります。

この作業は、このソフト独特なものなので、覚えなくて大丈夫です

$sudo nano /etc/modules

で、またもやnanoテキストエディターを動かして、末尾に

i2c_dev

と追記します。で、ctrl+x → y → enterで終了。

このモジュールを読み込むために、再起動かけましょう。

$sudo reboot

ですね。

再起動後動かしてみましょう

使い方は”sudo lfsb (PLLチップの名前) -y ベースクロック周波数(MHz)”です

$sudo lfsb ics9ums9610bl -y 155

こんな感じ。いきなり高クロックに上げると止まることが多いようなので、数回に分けてあげるとよさそうなのは経験上。

まぁぎりぎり狙うのはやめとけ、ってのも経験上。

●いわゆる「スタートアップ」ってどうやるの?

起動時にお決まりでお決まりのソフトを実行する方法です

今回、クロックアップは毎回やりたいのでこれに登録します。

Debianの場合、「基本的には」起動時の読み込むソフトウエアはsystemdというソフトで管理しているのでこれでやるべきだろうが、ちょっとめんどい。

systemdってのは、雑に言えば起動時に[ OK ] [ OK ]って出してくるアレです。

とにかく、めんどいので、昔の遺産を使う。systemdがなかった時代、initという仕組みでやってて、これがまだサポートはしているのでこれを使う。

(この、initを使っている起動、systemdを使わない起動画面を見たければ、別途解説しているAntixを入れてみれば違いがわかると思います。)

まずは実行するソフトを書いておくリストを作る

$sudo nano /etc/rc.local

中身は

#!/bin/sh
sudo lfsb ics9ums9610bl -y 145
sudo lfsb ics9ums9610bl -y 160

これで保存終了。保存終了のやり方は上述を見てくれ。もう3回目なので書かない。

その後

$sudo chmod 766 /etc/rc.local
$sh -x /etc/rc.local

とやれば、実行された結果のメッセージが出て、クロックが変更されるはず。

されたら成功。

再起動してみよう。そして

sudo lfsb ics9ums9610bl

で、クロック設定が先ほど設定した値になっていれば成功だ。