Linuxを初めて触るときの選ぶヒントになればと思っております。
前半では、選び方、選ぶ基準と、そのための材料の一つとしてLinuzの系統の説明を記載しました。
後半の使用感のレポートは、その辺の評論家やライターとは違って、「VMにインストールしました、終わり」レベルではなく、一応PCを専用に用意して普段使いするつもりで設定までして、あわよくばしばらく使って評価しています。
なので、多少時間とともに変わったりもします
以下、分かりやすくお勧め度を得点にしました。(★5が満点)
継続性や旧PCへの対応は、今の状況で私が感じている信頼感だと思ってください。
移行:Winを使っていたLinux初心者が迷わず日常使いで使えるか? 使用感:(基本せってくらいをしたうえで)使い勝手はよいか? 開発:本環境をマイコンなどの開発用途で一般的に使えるか?使いやすいか? 検索:迷った時のWeb上の素人が参考になるドキュメントは豊富か? 継続性:現状で、将来継続的にプロジェクト継続されそうか? 旧PC:32bitPCなど、古いPCをサポート継続するか?
【前半:選び方とそのための基礎知識(Linux系統)】
●選び方の基準軸は、以下の3つが用途に合致すること
①継続性:前提としている期間使えるか?
②用途適合:機能・性能・検証状態・サポート有無・有償無償が用途に合っているか
③情報量/ドキュメント量:困ったときに助けとなる情報の量。
評価の視点の詳細。
①継続性の評価での留意事項
以下があなたが使用しようとしている期間を通して安心できるかを考えてください。
・開発の親子関係:上流の開発が止まると、下流は死ぬ。
・資本や開発の依存関係:上流の方針が変わると下流が振り回されるあるいは死ぬ。
・隣り合う系列の有無:不幸にも開発が止まても、似ている系統に乗り換えできるか?
・(なので、)悩んだ時は一般に上位のほうが継続性としては安心感がある。
②用途適合性の評価での留意点
以下、あなたのやりたいことを実現できるか、用を足すかを考えてください
・欲している軽さか?あなたのマシンで快適に動くか?
・あなたの用途は事務仕事なのか、何かの開発なのか、サーバ用途なのか、何人が使うのか等
・どれほどの丁寧なサポートが必要か?多少バグがあっても問題ない?検証が必要?保証が必要?対話が必要?
・利害関係者は何を使っているか?それと環境を合わせる必要がないか?
③情報量の評価での留意点
以下、困った時のドキュメントが多い、といことはどういうことか、以下の視点で確認してください。
・①②を満たす中で一番有名か?
・周りの人やWeb上で似たことをやっている人は何を使っているか?
●ざっと説明Linux系統(今もProjが生きている&有名な奴だけを、現状の依存性ベースで記載)
理由:選定には、歴史なんてどうでもよくて、誰が死んだら自分も死ぬか、という依存性とバックボーンが大事だから
UNIX ├BSD バークレー大学がAT&TのUNIXコードを一部使って作ったもの │ └FreeBSD いくつか系統がある。省略。 └GNU/Linux UNIXに似た動きをするカーネルを1から作り直したもの。コード流用はない。 ├Slackware ├RedHat 超有名商用OS。最近、派生に対してソースコードを提要しない旨の発表(事実上の派生切り)な発言をした。 │ ├CentOS Redhatの経営方針に振り回される被害者その1。今回の派生切りで滅びるのか? │ └Frdora Redhatの経営方針に振り回される被害者その2。 ├SUSE Linux 商用OSの大手。もともとはSlackwareだったが完全独立。 │ └OpenSUSE ↑のバグ出しや技術の取り込みを目的としたフリー版。最近CentOSの移行先に名乗りを上げている ├Debian 唯一といっていい特定企業の資本バックアップがない「コミュニティー主体」のOS.GNUの思想を重視。 │ └Ubuntu カノニカルの支援でDebianの各バーションをベースとして商用を視野に入れたディストリビューション。 ├ArchLinux ├android os └Gentoo └ChromeOS
※redhatの派生切り発言.良いか悪いかより、私はこういう系統にはなるべくかかわりたくないなぁ
※SUSEの受け皿発言。好機と見てだろうけど、金額が漢気発言。
サーバ運用しているのに、いきなりプロジェクトが消滅する、とか困るでしょ?
●デスクトップ環境の差
Linuxでは、これとは別にデスクトップ環境の差があります。
WindowsやMACでは多少の変更はできるものの、根本的にデスクトップの動作の軽さや動作レベルで変更することはできません
Linuxでは、各デストリビューションでデスクトップ環境を選べます。
たとえば、DebianにもUbuntuにもGNOMEというデスクトップはありますし、GNOMEが気に入らなければ
LXDEを選ぶこともできます(LXDEが入ったUbuntuはLubuntuという名前で配布されている。)
●私の考えでのおすすめ
私ならば、特に成約やこだわりがないのであれば、以下のとおりオススメします。
まず、サーバ用途・商用利用でなければDebian系
そもそもサーバ用途・商用利用ならば有象無象の制約があると思うので一概に言えない。
・事務用途
32bitPC または非力PCをで軽さを優先して求めたいなら
DebianのLXDE
もっと軽いものがほしければ
Antix
・開発用途
とりあえず一般的には
Ubuntu。
SBCのような非力なマシンならば
Lubuntu
・自宅サーバレベルならば上に準ずる。
DebianまたはUbuntu(Lubuntu\Xubunt等デスクトップ違い含む)
というのがおすすめです。
【後半:使用感レポート】
●Debian(総評:★★★★☆)
系統:Debian 概要:Debian系統のメインストリーム。 古いPC(32bit)もサポートしている。 独自でデスクトップ違いのでディストリビューションを持っている、かつ、ロングタームサポート(安定版を節目を設けて長くサポートする)のが特徴。 通常迷うことなくDebianを選び、その中でデスクトップ違いを選べばそれで事足りる。 今回の評価はDebia11 bullseye のLXDE。 移行:★★★★(ただしGnomeは★) Winからの移行であれば、迷わずLXDEを選ぶべきだと思っています。 GNOMEは使用感が違いすぎる。 使用感:★★★★ といいつつ、慣れればLXDEもGnomeも悪くはない。 ただ、個人的にはGnome3が処理を余計に食うだけの価値があるかというと使用感が画期的に上がるわけではない。 この辺の良い悪いは開発者の自己満足な気がします。 開発:?わからない。 でも、困りはしないと思う。基本Ubuntuと同じだと思います。 検索:★★★★ 残念ながらそのものだと、Ubuntuのほうが多いですね。 でも、Ubuntuの親なので、ドキュメントもほぼ使える。 持続性:★★★★★ Ubuntuの親なので、単純に考えるとUbuntuが滅びても継続するでしょうね。 旧PC:★★★★★ Linux系で一番地力があると思います。残り時間、決して長くはないと思いますが、おそらく一番最後までサポートし続けるのではないでしょうか。
●Ubuntu(★★★☆)
系統:Debian系内Ubuntu系 概要:Debianに対して商用を意識したディストリビューション。 (個人的に半強制的にクッキーを許容させられるHPの構造が気に食わんので評価低いです。) 選定の基準として、Debianに対いてこれを選ぶ理由としては、長い間同じ環境を使う用途、商用を考えた試作・開発ならば、これがいいでしょう。 逆に32bitなどの古いPCへの対応はDebianのような対応は期待できず、普段使いの軽量OSを望むのであればDebianまたはDebian直下のほかのですとリビューションを狙うべき。 商用を意識しているので、安定版のサポート期間が長めに設定されている。 ElectroBit社等の組み込み向け商用OSの元にもなっている。 多くのIoT作例はUbuntuであり、Web上のヒントもたくさんある ただし、基本的にGnome。 なので、Windowsからの初めて移行してくる方には「最悪」に近い使い勝手。特に初期の環境設定が最悪に迷うと思われる。 (で、おそらく大部分の人は、使い込む前に「よくわからない」ってなって挫折することになるのが目に見えている。 だって大半の人は、そんな新しく使い勝手を憶える暇なんてないわけで、一人でOJTできるレベルでないと移行できない。 なので、Winしか使っていない人にこれを勧めている評論家って、はっきり言って「バカ」だと私は個人的には思っている。) ただ、ここには救いがあって、他のデスクトップ環境を選びたければLubuntu,Xubuntuなどを選ぶことになる。 今回の評価はUbuntu18.04 / 20.04 / 22.04 VM環境で実用で使っているものの評価。 今後も有用だが初心者(=Windowsしか使ったことがない人)に優しいかというと疑問。 それなりに慣れる必要がある。 移行:★ 使用感:★★★★ 開発:★★★★★ 検索:★★★★★ 持続性:★★★★☆ 旧PC:☆
●Lubuntu(★★★★)
系統:Debian系内Ubuntu系。 概要:Ubuntuのデスクトップ環境違い。おそらく直系では最軽量デスクトップ環境。 てゆか、UbuntuサーバにLubuntuのデスクトップを(X含めて)インストールすると、Lubuntuの出来上がりとも言う。 実際そういうインストールの仕方もできる。 Ubuntuでの作例やUbuntuでの情報は(デスクトップ環境違い以外は)そのまま適用できる。 UbuntuよりWindowsに近く初心者に優しいと思う。 よって、私としては「新しいけど非力」で「開発用途」なRaspberryPi(または同じようなSBC)であれば、RaspbianまたはLubuntuの二択です。 今回の評価はubuntu 18.04 移行:★★★☆ Winからの移行ならば、DebianのLXDE、または開発用途ならLubuntuを勧める。 使用感:★★★★ 開発:★★★★★ 基本的にubuntuなので問題なし。 検索:★★★★ 単独では少ないが、ubuntuのデスクトップ違い、と考えればドキュメントがほとんど使えるので、ドキュメントは非常に多い 継続性:★★★★☆ 持続性:★★★★ 旧pc:☆ Ubuntuで32Bitは開発終了、サポート終了も名園されているため、これもUbuntuとおなじ評価になる。
●Antix(総評:★★★☆)
系統:Debian系(Debian派生のMEPISの派生プロジェクトだが、現在はMEPISが活動停止したためDebian直下の派生開発となっている) 概要:Systemdを使わない軽量OS。 これを選ぶ理由は32bitPCでの運用でひたすら「軽い」ことを望む日常使いする人向け。 選ぶ理由としては ①どうしても使い続けたい32bitPCがある+本家Debianでは軽さに満足できない+WInに似ていてほしいこと ②どうしても使い続けたい32bitPCがある+systemdが嫌いな性癖がある+WInに似ていてほしいこと 逆にそれ以外で選ぶ理由がないと思います。 systemdが嫌いならdevuanがありますし、 winに似ていなくていいならAntXと同系統でAntixより有名なMX Linuxのほうが良いと思う。 さすがに軽い。古いPCで動くことを目的としており、忠実に具現化している。 今回の評価はAntix22 stable 移行:★★★ メニューの構成に多少癖があるが概ね迷わない。 使用感:★★★★ 事務作業には問題なかった 開発:★★ 端末としては使える Systemdに依存のあるソフトウエアが絡む開発はちょっと大変・・・。 なおで、IoT工作はちょっと難儀するかもしれない。 いずれにしろ、向いていない 検索:★☆ お世辞にも多いといえない。 同系統のMX LINUXを合わせれば多少は増えるが・・・ MXだって評判ほど多くはなく。Ubuntu/Debianに比べればトホホ。 救いはSystemd絡み部分以外はDebian/Ubuntuのドキュメントが使えるのでSystemdに絡まなければ、普通はあまり困らないこと。 無線LANを最新にするぜベイベーとかすると苦労するかもね。 継続性:★★★★ 組織の地力はそこそこありそう。 旧pc:★★★★ 32bit含めてdebianがサポートする限り最後までねばってくれそう。
●MX Linux
系統:Debian系(Debian派生のMEPISの派生プロジェクトだが、現在はMEPISが活動停止したためDebian直下) 概要:Antixに似ているデスクトップがXfceな中量級デストリビューション 似通っている理由MXのプロジェクトは旧MEPISコミュニティーメンバーに対してAntixのチームがAntixのノウハウをもって開発を支援している関係で成り立っているからのようですね。複雑ですね。 選ぶ理由は Antixを選びたいんだけど、Antixでググると情報が少なくて不安な人・・・かなぁ 「DeianのXfce版」「とにかく軽いAntix」「Systemdが嫌いなDevuan」に対してそれぞれ優位性が疑問で、あまり積極的に選ぶ理由が個人的には思いつかない。 移行:★★★ Gnomeほどではないが、初期画面では多少の違和感がある。 使用感:★★★ Antixでよくね? 開発:★★ Antixでよくね?またはLubuntuでよくね? 検索:★★☆ Antixよりはマシ。 DistroWatchtサイトでの「Webの閲覧数」は上位らしいが、どう考えてもUbuntuを超えてMXが使用されるほど有名なようには思えないんだよね。疑わしく思える。 持続性:不明 旧PC:★★★☆ まぁ、Debianが対応している+Antixが対応している間はできるんじゃないかな。独力では無理じゃないかなと勝手に予想。
●Q4OS(★★★☆仮)
系統:Debian系 概要:旧Windowsのインタフェイスに似ているDebianデスクトップ。 ・・・うん。見かけは似てる ドイツ製・・・なのが気に入らんが確かに軽い。 移行:★★★★ ただし基準はWindowsXPとかVistaとか7ね。 使用感:★★★★ くやしいが良い 開発:?(わからない) 基本的にDebianでデスクトップ以外、変にこだわったところはないので多分困らないと思う。 検索:★★ まぁ、ないよね。 でも、Debianのデスクトップ違いと思えば特に困らないかもね。 継続性:?(わからない) 旧pc:★★★?(わからない) 軽いこと、よりXPに似ていることをポリシーにしているようなので、これがいつまで続くのかわからない。
●RaspberryPi OS (★★★)
系統:Debian系直下 概要:RaspberryPiで動くように軽く、かつ、初心者にフレンドリーなデスクトップ環境 DebianにRaspberryPiのデスクトップ環境を張り付けただけのような「おまけ感」があるので、積極的に選ぶ理由は薄い。 正直PC向けのOSとして選ぶのは一般的ではない。 ただし、RaspberryPiで慣れた人は同じ感覚で扱えるメリットはあるかと思う。 ラズパイに入れて使う上では使用感はよいしサポート面も安心できるが、PCに入れて使う場合、DebianやLubuntuやAntixに対して対抗するほど秀でているかというと・・・謎 移行:★★★ 使用感:★★★★ 開発:ラズパイ向けは★★★★★(ただしPC版は★★★) 検索:ラズパイ向けは★★★★★(ただしPC版は★★) 将来性:ラズパイ向けは★★★★(ただしPC版は★★) ラズパイ用のデスクトップをDebianに移植したものを出す続けるメリットがどれほどあるのか疑問だよね。
●Peppermnt OS
評価中 系統:Debian系 概要: 移行: 使用感: 開発: 検索: 持続性: 旧PC:★★★
●NN Linux
評価中 系統: 概要: 移行: 使用感: 開発: 検索: 持続性: 旧PC:
●bodhi Linux
評価中 系統:Debian内Ubuntu系 概要: 移行: 使用感: 開発: 検索: 持続性: 旧PC:☆
●Alter Linux
系統: 概要: 移行: 使用感: 開発: 検索: 持続性: 旧PC:
●vaio Pでの32bit版の軽さ対決
GRUB2画面からスタートボタンが反応するようになるまで。
ログイン画面がある場合はログイン入力中は一時停止
Antix22 30秒
ただしP90、各所設定済
NX Linux 70秒
ただし、クリックして反応するまでは85秒
Peppermint 66秒+33秒
Debian11 48秒+20秒
デスクトップはLXDE
Lubuntu18.04 130秒
NNLinux 168秒
デスクトップはxfce