いろいろなHPで、分かりやすいように(場合によっては本質からかけ離れた例を挙げて)解説をしているが、中には完全に結果の現象として「間違っている」ことを平然と語っているHPもある。

なのでかなり注意です。自分で選別する必要があります。

●「本質から離れているが」工夫されている例

正直、これと同じ説明をわかっている人にしたら微妙な反応になると思うが、わかっていない人・高校物理が理解できない人に説明するのはアリかな思った例

島村楽器さんのロー出しハイ受けの話

正しさは疑わしいんだけど、言いたいことは伝わるし、得られる結果は一致する。

正しく言えば、「信号出力側が供給できないような流の流れる組み合わせはNG」ってだけです(オームの法則)

もしやると、神様(=自然法則。世界がそうなっているのだからこれを疑ってもしょうがない。)はその回路全体のバランスを取ろうとします。

結果、「オームの法則」としてわれらが認知している通り、電圧降下するわ、発熱する可能性が出るわ・・・もっとも一般的な例がタコ足配線で何が起こるか・・・ですね、、、になります。

結果、コイルの抵抗ってのは周波数方向に感度がありますから、音質にも影響するし

ただ、ですね。電流を流すというのは悪い事だけではなくて「ノイズ(=その辺から何らかの理由で飛び込んでくる電流)に強くなる」というのもある。

なのでやみくもに受け側をハイインピーダンスにすればいいってものではない。

たとえるなら「流しそうめんの水路にバケツで水を入れたらあふれるけど、川にバケツで水を入れても何も変わらないよね」って感じです。

何事もバランスってこと。

●で、行き過ぎて本当に間違っている例

たとえばここ。間違っている例。

ワタナベ楽器さんのスピーカーにおけるHI-Z接続の説明ですが・・・

スクショします。

スピーカーA,Bのラインのどこかが断線しても急に負荷などは<h3>かかりません</h>

むしろ、どうしたら負荷がかかるのか教えてほしい。

だって供給電圧は同じでしょ?だってアンプの電源電圧は決まっているし、出力はFB回路で制御されてますよね?

抵抗は(コイルなので周波数帯域での変動はあれど代表特性的には)8Ωで変わんないですよね?

では、CDを流れる電流はABの状態で何か変わりますか?・・・変わりませんよね(オームの法則を交流領域に適用しただけ)

むしろ、負荷という意味では、アンプから見たインピーダンスが上がりますから負荷は下がりますし、ABが断線するとアンプからA分岐まで、Bの下段からアンプまでの電流は下がりますよね。(オームの法則・キルヒホッフの法則)

ローインピーダンスはノイズに対しては強い傾向にあり、かつ電圧が低く感電の心配も低いものの、回路上で抵抗値を無視して電流を流せるだけの十分に太いケーブルが必要になります。(必要な箇所だけ接続して鳴らすような構造にするために、制御しやすいように、増設もしやすいように)並列につなぐと、この傾向はさらに強くなります。

そんなド太いもん(曲がらん、値段が高い、施工穴が大きくなる)を長距離引き回せますかって話が本質です。

屋内配線を触るなんてことはめったに起こらない、別に音質もそれほどこだわらない、ならば電圧を高くして転送の効率を上げてもいいではないか、というのが本質です。

ちなみにすべて効率が同じスピーカーを使って、配線での発熱も同じ(=抵抗が十分無視できる余裕を持った配線を使った)だとしたら消費電力は変わりません。(オームの法則・キルヒホッフの法則・フレミング右手左手etc)

※余談ですが、これは学校教育が誤解を与えているので悪いのですが、フレミング右手左手の法則は必ず両方が同時に働いています。

 つまり、磁界内で電線に電流を流す>電線が力を受ける>電線が動く>動く速さに従って起電力が電流を阻害する方向に流れる(逆起電力)・・・と、セットで動きます。

 モーターが永遠と加速できずあるところで釣り合ってしまうのは、これのせいです。逆起電力が電源電圧と釣り合ってしまったから・・・。

 

●結論

どんなわかりやすい説明であろうとも「起こる現象」が説明できない、または変わってしまっていたら

ナンセンスである、ということ。

そして、そういう嘘を見抜ける力を持たない人は技術者たりえない。(=その道のプロではない。素人ってこと)