FC3S オートクルーズコントローラ(コンピュータ)用のHILS
(ハードウエア・イン・ザ・ループ・シミュレータ)作成について。
マツダ・ニューサバンナRX-7(E-FC3S)の後期型GTリミテッド(SE含む)、
あるいはカブリオレに搭載されていたオートクルーズの
コンピュータ単体テスト用のベンチを作成しました。
また、結果として判明した本コントローラの仕様もメモします。
●事の始まり
2015年の冬にエアフロの故障によるエンジンブローから回復ののちに、
私の所持しているNewサバンナRX-7は正式に現役を引退させることとしました。
具体的には延命処置としての動態保存体制に入ることにしました。
そこで、代車としてNAロードスターを購入、さらに家族用としてジムニーを購入し、
不具合個所をすべてメモしてSCOOT小関さんのもとに預けてレストア期間に
入ることとなります。
2018年の正月から本格的に回復を開始し、ハーネスの交換、
不良個所の修理を行っていただきました。
しかしながら、オートクルーズに至ってはなかなか修理困難であり、
最コントローラのみ作り直す覚悟もして動作テスト用のベンチを作り
複数のコントローラをオークションで落札し、試しました。
(結果、4つ買った中で2つ生きていましたので、今回はそれを使うことになりそうです)
ちなみに、テスト結果、1つはモーター駆動回路が死亡。
1つはそもそも、メインスイッチすら認識しない状態で追及も諦めました。
●シミュレータ本体
実車に代わって以下を提供し、当該コントローラの単品起動・動作確認を行えるようにした
シミュレータです。
・IGN/ONおよびバックアップ電源
・MAIN/SET/RESUME/COASTの各スイッチ
・クラッチ、ブレーキ(2系統)、車速パルス
・アクチュエータ(電磁クラッチ、モーター負荷)
動作中の動画
・動画1(動作確認)
・動画2(自己診断によるフェール確認。入力確認。)
●コンピュータ仕様
①パルスの仕様:
周期が以下の0-5V矩形波
40Km/hのとき・・・28msec
20Km/hのとき・・・57~58msec
マグネットスイッチによる出力の様で共通の無駄時間がありそうです。
制御組むうえでは時間を目標にすれば関係ないですが。。。
②モーター出力(これはLEDの目視で、オシロで測定はしていません)
0-12Vで、基本はドライブ側にしか動かさない
(コースト操作時、オーバー車速時は電磁クラッチOFFで対処しているようです。
0.5msecくらいのインターバルで車速差に応じた時間だけ駆動信号を出すようです。
最大でワイヤーを0.5mm/secくらいで駆動するように調整してあるようです)
③電磁クラッチ
クルーズ作動とともにクラッチON。コースト時はOFF
ブレーキスイッチを介した端子は流れ込み回路になっていて、
作動時はコンピュータの指示で地落させる仕組み。
同時に電圧モニターをしてブレーキ検知、フェール検知をしている模様。
なので、動作確認時はアクチュエータを付けていないとこちら側の回路には
電圧が出ないので、整備書追補版に書いてあるような正しい電圧(9V前後)
は出ない。
(後期は上流下流ともに制御しているようだが、
自作するならば前期整備書を参考にし、地落側のみ作って、
12V側はそのまま電源を流れこまっせておく手法が楽。
0.6Aそこそこ流れるので、それに耐えられるようなスイッチング素子が必要)
●結論
調査の結果、今回は助かっているコンピュータがあったのでそれを使えばよいが、
ドライバー部分の作りこみさえしっかり行えば、自力で最低限の動作をするものの作成は十分可能。
特に、FC3S前期型の整備書を見る限りアクチュエータ機能に差異はない、もしくは少なそうなので、
前期程度の回路であればさらに組みやすいと思われる。
(ただし、ソレノイド及びトルクモーター駆動回路の知識が無いので、正しい組み方ができるとは思わないでほしい)
・・・よし、今は使わないけど、興味本位で暇があったら作ってみるか。