Home
戻る
アーシングは有用か?
A.新車に行うメニューとしてはかなり疑問。修理方法としては「アリ」
本件については、ネット上でも、チューニング屋や車屋ですら、あまりしっかり定性的、定量的に語れていないことが多いと思う。なので、あえて設計側から話をします。
私の車両ですと、FC3Sだけには実施してあります
なぜか、
明確に対処したい不具合があったからです。
そもそも、この話、アーシングチューン、という言葉が僕は気に入らないんです
アーシングなんてのは車にとっては厳密には「ない」んですよ
だって、タイヤで絶縁されていてアースやグランドなんてされていないじゃないですか。
じゃあ「アーシングチューン」ってのはなにか、
「コモンラインとシャシーを等電位にしている」のは本当ですし、私は嫌いですが、一部コモンラインとして 車体に電流を流している回路があるのも事実です。
しかし、基本はコモンラインとしてボディーの各ポイントをつなぐようにして配線をしておりますし、
そのラインの容量と抵抗値は消費電力に対して十分な性能となるよう設計しているはずです。
なので、すでに皆の言う「アースチューン」は必要最低限以上にはノーマル状態ですでに「チューン(適合)」されているんです。
ですが、
1)何らかの原因(設計ミスや不具合)でそのラインの抵抗やボディーの抵抗が上がってしまって等電位が保たれなくなった
または
2)ユーザーの意図で設計値以上の電流を流すことになり、コモンラインの容量が足りなくなった
の場合には、別途コモンラインを強化するような引き回し、つまり「アーシングチューン」が問題を解決するこにはなります
つまり、やっていることは、「対象間のコモン線の引き直しをしている」という作業(手法・HOW)なんですよね。
ここでいうのは、あくまで問題を解決する手法であるという事。
どちらにしろ「アーシングチューン」をしよう、と言ってやるのは明らかに間違いです
・パワーを上げよう、失火を防ごう→アーシングチューンしよう
・前照灯が暗い→アーシングチューンしよう
はい、どちらも間違いです。
どうもセンサーの値がおかしいので気になったので、各所の電位をエンジンON-OFFで分けて計測してみた
→バッテリー・オルタ間をテスターで見てみたらどうもエンジン起動時に電位差が出ることが分かった。なぜだろう?
→配線図を見ながら電圧降下に対するFTAを考え、古くなって線が悪くなっているのではないだろうか、と予想を立てた。
→だからこの間だけ配線を新規にしたいが、部品がない。または高い
→じゃあ、追加配線して引きなおそう
→結果的にアーシングチューンしたことになる
これが正しい手続きです。
何についても論理的思考または計測ありきです。
先の例については少なくてもバッテリー・オルタ間の電位差問題に対しては「確実に」効果は出ると思います。
センサー不具合に対しても、「少なくてもこれで効果がないのであれば、ここの問題ではない」ことは明確になります
そうやって行うのであれば、対応策の一つとしては間違ってはいないと思いますし効果もあると思います。
しかし、どんな車でも効果があるか?
そうは私は思いません
特に新車ですが、新車で、ノーマルで、こんなものが必要な状況って、単なる「ハーネス必要容量の設計ミス」です。
むしろ、これでたとえ早くなったとしても、その程度の設計能力しか持たない自動車会社の車なんて信用できますか?
俺は信用できませんね。
そういうようなレベルです。
新車でなくても、これは単なる不具合、故障です。
上も、「ハーネス引き直し」「ボディー交換」が本来の対処法です
でもね、パーツが出ない車はいくらでもありますしハーネスの引き直しを試作で頼んだらどんなことになるか・・・
だったら、対処法として「コモンラインの併設」が全要求を満たすリーズナブルな解決案になることもある、というだけのことです。
Home
戻る