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一本目の猟銃購入前にわきまえておくこと

猟銃の選び方

結局工具や車と同じです。



●猟銃の用途は3つ。これ以外では許可されない

時計やクルマは、実用が理由で購入するとは限りません。
クルマを「愛でるため」に買おうが「所持欲を満たすため」に買おうが「サーキットで走るため」に買おうが自由です。
むしろ時計なんて、スマホが一般化した今、時計を実用で持つ理由は皆無とも言えます。
つまり、実用でなければ買っちゃいけないか?そんなことはないってことです。
そんなこと言ったら自由・権利への侵害に当たりますよね。

尤も、車は事故を起こした時の被害が大きく、高速な移動手段として軍事物資とも言えますから走らせるなら免許や登録は必要ですが・・・。
とはいっても買うのは自由です。極端、免許がなくても買うだけなら買えますし、買う理由も問われません。


じゃあなんで鉄砲はだめなの?ってわけですが
鉄砲は、正式な用途が「武器」であって、刀などと同じですね。
自動車は「移動用具」時計は「時を知るための道具」ですから、その目的においては人畜無害です。


そういう分かりやすく不祥事になりそうな用途上、
お国としては「国家転覆を達成しうる物の管理、(福利の名のもとに)社会の秩序を維持する目的」で規制したい。
なので、それなりの理由がない人は持っちゃダメになっているんですね
その理由ってのが「標的射撃」「狩猟」「害獣駆除」に限定する、ということになっています。

そういう意味で僕はボウガンや弓矢も同じ扱いにすべきと思うのですけどね
ボウガンは、今は自主規制的に購入時に住所氏名は聞かれるのかな?
閑話休題

ちなみに、所持については、US・・・アメリカでもちゃんと所持登録は必要ですし、
州によって種類によってですがテストが必要だったり許可制だったりもするようですよ。
アメリカですら、それほどフリーダムではないようです。
閑話休題2



さておき、この3つの理由をばらすと
・「標的射撃」・・・スポーツ、趣味として撃ちたいんじゃい!
・「狩猟」・・・猟師なんだから使って当然!
・「害獣駆除」・・・趣味でも本業でもないけど、畑に出てくるイノシシは死活問題だから戦いたい!
と、この3つに当てはめて理由を申請せよ、とこうなるわけです。


間違っても
・「交渉のため」・・・わけわからんわ!話し合え!
・「国家権力への対抗のため」・・・完全に人殺しに使うつもりじゃん!
・「護身用」・・・それは、人に向かって使いたい=殺人をしたい、って言ってるのと同じ。
         さすがに警察としてOKとは言えませんよね。
・「盆栽用途」・・・使わないけど美術品として眺めたい。・・・非稼働銃でいいでしょってことになる
は、ダメっていうわけです




個人的には
「鉄砲を撃つような奴は鉄砲がなくてもバットやらボウガンやら拳やらで相手を殺傷する。そういう性根の奴なんだから」
って思うんで、まぁ規制する根拠はあまりないと思いますけどね。
むしろ、アメリカに行ったときに感じたのは「誰が銃を持っているかわからない」ので、「つまらないことで喧嘩を売らない」。
実際、アメリカに数か月いて不慣れな場所で運転していたにもかかわらずクラクションなんて一回も鳴らされませんでした。
抜く奴は黙って抜いていく、それほどじゃなければ別に後についていく、抜かれるほうも相手のリスクで勝手に違反して
抜いていくなら勝手にさせるってのはわからんでもない。
閑話休題3


ところで、自動車だって危険だ、規制しろという人もいますがそこは根本が違う。
自動車はその要求機能は「人が運転し移動または運送する用具」であって、「対象を殺傷・行動不能にする用具」ではない
あくまで要求機能に対する直接的な危険性はなく利便性が高い。
手段として自動車で移動した結果、事故を起こすというリスクがあるのである。


逆にね、手段として危険ならばそこを規制すべきだというのであれば、自動車運転免許は猟銃免許並みの
審査をすべきだって話になるわけですよ
曰く、老人だけでなく全員が免許更新時に精神疾患の検査を受けるべきだし、毎回講習・テストを行い知識を確認すべき。
過去、精神科医で病名がついた者は担当医より「治った」とのお墨付きがあるまでは免許取得不能かつ免許発行していても取り上げ
当然、過去5年に自動車関連で刑事罰、行政罰を受けた者、刑の終了から5年が終わっていない者、
他人を傷害、または死亡させたものも上に同じで期間中免許取得不能。
取得時、更新時には家族ご近所に素行調査もやるべきでしょう

そんなこと言ったって困るってか?しらんがな!法律ってそういうもんですよ。
自分だけに都合がいい法律なんて、イコール差別を含む法律ってことじゃん?川崎市のヘイト条例のようにさ。

正直、今の運転免許更新制度も非常に感情的、差別的でおかしいと思っていますよ、私は
なんで70以上だけ検査するの?
だって、若くてもアルツハイマーの人もいるわけですよ。危険でしょ?全員検査しなきゃ。

運転免許定年制なんて言っている人は頭がおかしいですよね。あれこそ老人差別的な発言であり、都会本位ないろんな人の立場に立っていない話です。
そんな過疎農村にいるおじいちゃんから鉄砲も車も取り上げて、そのうえで自活しろって、じゃあお前がやってみろと言いたい。
閑話休題4


とにかく、覚えてほしいのは、
日本の法律では、その思想上、「標的射撃」「狩猟」「害獣駆除」に当てはまらなければ所持許可は下りない
ってこと。




●銃には用途がある。

上の話とは逆に、銃の実態からみると、銃にも用途別の種類があるんです

・連射機能は「標的射撃(=趣味・スポーツ)」としても「狩猟・害獣駆除」としてもNG

たとえばフルオート付きアサルトライフルやサブマシンガン。
これは比較的短距離の対象に対して面制圧をするための武器です
SMGとFAーARの違いはその想定した距離の差。

さて、日本でそういう距離で面制圧、必要ですかねぇ?
まず、SMGのような10mくらいの距離で撃ち散らかすなんてのは猟でもほぼあり得ない。
武器を安全に取り扱う前提は「矢先確認の徹底」であるから、当然前提として用途がない。

・散弾銃(またはその他猟銃=ハーフライフル)なら基本は許可される
「標的射撃」ではクレー射撃用として
「狩猟」「害獣駆除」用途としては出猟、及び、その練習用途でのクレー・静的射撃用として
基本的にとることができます


・ピストルは「標的射撃」のみ許可される
これは、許可される理由はわかると思います。
競技として、スポーツ趣味として確立しているから。
ただ、スポーツ競技で使われるその世界での一般的なピストルになりますので、
競技で使わないような軍用途の「ルガーP08」とか「ワルサーP38」が認められるかは別問題。

猟では・・・六粒弾と言われる散弾と変わらんような大きさの弾で止まる様な大物はいない!
というわけで「向いていない」鉄砲になります。
なので、「猟が趣味」なのはいいけど、それにピストルを使う理由は一般的に考えて、ないよね。
・・・となりますので少なくても今は許可は下りません。

・小口径ライフルは競技のみOK
昔は許可が出たのですがいろいろな事件もあって
22LRのような小口径を鳥撃ちに使うならエアライフル、または散弾で十分だよね、という解釈で
その境目は、狩猟では6mmとなっているかと思います
NATO弾でいうと5.56mm*45はダメってことです。

この境目については僕は個人的にはうーんってのはありますが、まぁ、世の中どこかで境界は作らないと
ダメなんでそういうものだと思うか、法改正を訴えていくしかないですね

・大口径ライフルは狩猟でも許可される
NATO弾でいう7.62mm*51。厳密には規格は違えどほぼ安全に互換性が取れる弾として.308ウインチェスターっていわれるやつです。
狩猟では30-06スプリングフィールドなんかも有名ですかね?
持っていないのでよくわかんないんですが。

なので、この辺の弾を持つ銃は許可される可能性が出てきます
しかし、ここでもう一つ、銃自体の向き不向きが出てきます


・散弾銃もライフル銃も、タクティカルモデルは許可が下りにくい
戦場で使うものはその歴史上、銃身は短く弾倉への装填数が多くなります。
遠距離の大物を仕留めたいのに、短い銃身なんておかしいだろ、と、撃ち散らかすのでなければ弾倉装填数なんて不要だろと、
そういう理由からまず法規制を受けます。

また、一時期問題になった某教団のようにAK47を持ち込むやつとか、マニアが必ず出てくるわけで、
あからさまに対人ライフルとして開発されたものはどうも警察側でハネているようです。
いっそのことハネているリスト出してくれって感じですけど。
弁護士連れてグダグダやれば通る可能性も出てくるかもしれませんが、人だと完全にナメられて、
どうせ裁判まではいかないだろうと受け付けなく門前払いのようです。

※たまーにイズマッシュ・サイガ410番みたいなのが出回るのでそういうこともあるらしい。基準はよくわからん。
※銃界隈でミリタリー系銃マニアが嫌われる理由はここにもあるかもしれない。
閑話休題


法規制にあっているものを正当な手続きをしているのに持たせないのは違法になりますので
もし熱意がある方は弁護士やとって裁判起こすつもりでやってみてほしいです。





・北米からはそもそも個人輸入しにくい
実は、日本はアメリカから「武器輸出国」「軍事物資が第三国への流出可能性のある国」として睨まれています
昨今も、日本から韓国に輸出したフッ素が北朝鮮中東に流れていたのがアメリカに露見し、再発防止のお叱りを受けて、
日本が韓国をホワイト国から外すということがありましたが、日本の民間はアメリカからは全く信用されていません。
また、日本には「ミロク」という民間向け銃器メーカーがあり、ここは北米企業がOEMの民間銃をかなりの量生産しております。
なので、「信用できない」「武器輸出国」という認定をされているようで、アメリカから日本への個人輸入はかなり厳しいです
てゆか、あちらに協力業者がいないと無理。
実際、私も北米で何度かお世話になっている店に「お久しぶりー」って言いながらスコープをお願いしてみましたが
「ごめん、日本へは連邦法に基づき輸出規制がされているため、対応できないんだよ」
って返事が来た。
単なる顧客くらいじゃ対応しきれないってことですわ。もっと重要な関係なら別かもしれんけど。


どうしてもというなら、そういうつてを持った銃砲店に頼めばあるいはって感じです。


・北米から日本に輸出するにも本数規制があるっぽい
これは明確には私が体験したとかいう話ではないので、銃屋さん経由の噂の話ですが
どうも、銃ごとにアメリカから日本に年間輸出していい数というのが、連邦政府と各企業間で約束があるようで
たとえばVERSAMAXは年間何本、と指定があって、例えばレミントンは東京銃砲に対して何本、って枠を決めて販売するので
いきなりここに第三者が乱入してもこの枠を覆して売ってもらうことはできないそうです。。。
あくまで聞いた話なので間違いあったら言ってください


ここで言いたいのは
1)銃には銃ごとに設計用途があって、当初の設計時の用途が「標的射撃」「狩猟」「害獣駆除」から逸脱しているものは
  許可が出ない、または許可が出にくいということ。
2)その規制は、法で定められるものもあるし、警察がなんか独自の基準でやっているっぽいものもあるってこと。
3)また、アメリカから日本への輸入も厳しく、なかなか自由にはならないということ


●猟銃は用途によって選ぶべし

さて、上述を頭に入れたうえで銃を選ぶのですが、1本目はほとんどの場合、散弾銃になりますね。
なので、以下は散弾銃に限ります。

タクティカルモデルは上に書いた通りなかなかむつかしいにしても、まだまだいろんな選択肢があります。
ではどんな銃がいいのか、

それはぶっちゃけ

「何に、どんなスタイルで使用するか
によります。


銃砲店に「最初の一本、どんな銃がいいですか?」って言ったら、多分、こういわれると思います

「競技なら競技専用上下二連、猟ならば猟用の上下二連」
あるいは、
「トラップならトラップ銃、ほかならただの上下二連銃」

まぁごもっとも。
その通りで。


で、何でそうなるかって話です。

・・・「無難だから」
つまり、「何をやりたいかが分かっていない、どんなのが欲しいか言えない人なのだから基本なものを渡すべし」

何も言わなきゃそうなるでしょうねってところです。



まず、私の知っている限り

・トラップならトラップ専用銃
トラップ銃とほかの銃では圧倒的に構造が異なりますので、トラップをやりたくて始めた人は、トラップ専用銃一択かと思います。
たしか、リブが高く、ベントが浅いはずです。

それはこれまでこういう形の銃がトラップに向いているとして開発されてきたものであって、それでまず基本を習う、
そのうえでさらに何かが足りていない場合はそれを基準にして、いじるなり買い替えるなりしたほうがいいでしょう。

※ハイスコアー狙う、公式戦に出る、とかでなければ、ほかの銃で行うことも可能です
 排莢先の人とトラブルにならないようにだけ注意。
 たとえば、ゲーム前に右隣の人にプラーの前で「すみません、猟の練習で来ていて自動銃です。」って銃を見せるとか。
 (プラーの前でやるのは、相手の逆切れを抑えるため。先生の前で、と同じ。)
 プラーに右は自動銃を気にしない人にするか開けてくれとお願いしておくのもあり

・スキートやりたいなら・・・
チョーク交換により兼用が可能な類の種類の銃になると思います。
後述猟向けの銃の中からハーフライフル銃身・ボルト銃・レバーアクション銃以外で選ぶことになるかと思います


・猟
用途によっていろいろ。
各特長を満たすような猟銃を選ぶことになる


ゲージは…12番か20番だが、よほど何かがなければ12番
私なら12で衝撃がきつい人は猟については20番購入もありかなと思う。
猟のための弾は火薬ないし弾をめいいっぱい装填していると思いますので、弾頭の大きさまたは薬量が20番のほうが小さいだけ反動は少ないだろうから。

競技は火薬量も弾の量も決まっていると思いますので、どちらでも同じじゃないかな。



衝撃の強さなんですが、衝撃の強さってのは結局打ち出したものからの反動(反力)なんですよ。
なので、衝撃が少ないということは単純に火薬が多い少ない、ではなくて、打ち出したものに与えた
エネルギーが少ないってことなんですね
火薬が多くても例えば空砲だったら反動は少ないわけですよ。(この場合も空気を打ち出すので無反動にはならない)
何を言っているかというと、時々「20番も12番も打ち出す弾の量も速度も同じで衝撃が違うよ」てのは物理的におかしい理論だってこと。
同じ量の物体を打ち出して同じ量の速度を出したなら、銃がうける反力はどちらも同じエネルギーだってこと。
もちろん、銃側の作りしだいで衝撃の顔つきは変わるがそれはゲージの差ではなく銃の構造の差である。
閑話休題



さておき、

@北海道で大物
 対象距離は100m〜300m
 50mは滅多にいません。
 基本的にスコープでの射撃距離になると思います。
 装弾数は1で十分。これで当たらないのなら、2発目なんて当たるわけがない。

 つまり、サボットスラグを撃つことができるハーフライフル銃身が理想。
 あるいは高精度が自慢のスラッグ銃身が必須。
 スコープがつけられること。俺はシモヘイヘの生まれ変わりだと思う人でも調整可能な照星照門は絶対。


A内地で鳥撃ち・大物
 基本銃種は構わない。
 ただし、ボルトはロマンはあるが一発外したら場合終了のお知らせとなりやすい。
 レバーアクションもロマンだがあまりないよね。
 装填数は1発・・・と言いたいところだが、まあぁ複数あったほうがいい。
 チョークはあるほうがいい(特に競技と兼務するときは)

 銃種で補足すると、上下二連だと全長が短く、木に引っ掛かりにくいというメリットはある。
 オートやポンプは3発込められるメリットがある。
 光学照準器を使用したい場合は取り付け可能であること(9mmレールやピカティニーレールが装備できる)必要ありで、
 こういう銃は大体オート・ポンプ・ボルトである

Bよくわからない
 まぁ、みんなが持っているものなら同じように扱えばいいし、聞ける人がたくさんいるってことで
 ミロクあたりの中古の猟用の上下二連。

Cロマンを優先
 ロマンを優先して頑張ってくれ!
 法的には散弾銃は散弾銃だからそれ以上の区別はない。
 その範囲内で癖があろうと撃ちにくかろうと克服してがんばれ!
 …まぁ中の人Aなのですが

つまり一番難儀な人は

性能要求(Request)
@北海道いく!
A内地での猟隊にも入る!
B鳥も撃つ
C一本で済ませたい!
 D練習は静的射撃とラビットやりたい。
Dトラップ・スキート・ダブルトラップはそこそこ


というやつででしてね、、、まぁ中の人Bなんですが・・・こうなると

機能分解(Function)
 長距離射撃できること
 スコープが取り付けられること
 北海道まで飛行機で輸送できること
 9号7.5号4号を撃てること
 五目でスラッグが撃てること
 2発は連続で撃てること

解決手段(Logic)  ハーフライフル変え銃身+ピカティニーレール+チョーク付きのスムースボアの自動銃、またはポンプ

 これに該当すると思われる銃は
   レミントンM870、1100、1187、VERSAMAX(レフティー用はハーフライフル銃身ないけどね…)
   ブローニング ゴールドSL、マクサス(両方キャンチレバー)
   ベレッタA390(キャンチレバー)

 連続射撃能力を捨てれば
   ブローニング Aボルト

 ハーフライフルを捨てればもう少し広がる


まぁ圧倒的にレミントンが手に入りやすいよね。。。
上述Logicの内容を下位要求仕様として情報店に聞いてみたら回答がVERSAMAX一択だった。
中古の1187があったんですが・・・競技用の弱装弾で評判悪いよ?って言われた。
VERSAMAXならジャムらないって卸した先のお客さんが言ってるから、お勧めできる。ということらしい。

当初、銃身で照準は決まるんだから機関部上にレール直付けよりキャンチレバー方式のほうがいいかなとは思ったんですが
実態、使ってみたら全然問題にならなかった。
北海道いくときも銃身もスコープも外して持って行って、北海道で組み立てたけどしっかり照準あってました
むしろ、キャンチレバーは折れるってのをアルミの延長レールで(数回の射撃で)味わいまして、これでよかったと思っています。




究極、どういうスタイルの猟をしたい、どこで猟をしたい、といった何か思いがあまりなく本土以南、または鳥狙い
であるなら狩猟用の上下二連でいいのではないですかね。









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